葬儀相談コラム
第88回 送骨サービス
■88-1 送骨サービスとは?
「身寄りがないのでお墓はいらない」「自分や家族のお墓を持たなくてもよい」「納骨・供養にかかる費用は最小限でかまわない」といった人が、遺骨を同じ墓に埋葬する合葬を選択することが増えてきました。そうした時代背景から、寺院でも個別のお墓とは別に永代供養墓や合葬墓、納骨堂を建て、合葬を選択する檀家の遺骨を収め永代供養を行っています。今回紹介する送骨サービスは、合葬してほしい遺骨を寺院から離れた場所から郵便局のゆうパックを使って寺院に送るというサービスのことをいいます。
現在、全国約20ヵ所の寺院で送骨サービスを行っています。費用は寺院により2万円〜9万円程度。納骨後の管理費用はかかりません。できるだけ供養の費用を押さえたいというニーズに合った方法といえるでしょう。
■88-2 送骨サービスの流れ
まず、送骨サービスを行っている寺院に連絡をとり、申込みを行い、寺院(宗教法人やNPO法人など)と送骨サービスの契約を結びます。送骨サービスの料金には納骨時の読経などの永代供養料が含まれるのが一般的です。
契約条項について承諾し無事に契約が結ばれたら、送骨サービスの料金を前払いで寺院の指定口座に振り込みます。寺院は振込を確認し送骨パックを利用者に送ります。送骨パックには、送骨用ダンボール、ゆうパック送付状、梱包材料、送骨マニュアル等が入っています。
送骨マニュアルに則り遺骨を梱包し郵便局窓口に持ち込んで寺院へ送ります。寺院では遺骨の到着を確認後、利用者に連絡し、納骨を執り行います。
寺院によって納骨の方法は様々です。もっとも安価な方法は他の遺骨と一緒に供養する合葬・合祀で、あとから遺骨を返還できなくなります。一定期間の個別納骨を選択すると、費用が発生しますが遺骨の返還は可能となります。ひとまず送骨サービスで個別納骨をして、あとからお墓を建てた際にそちらに納骨することもできます。
■88-3 送骨サービスの注意点
遺骨を送ることができるのは郵便局のゆうパックのみで、宅急便や佐川急便など、他の運送業者では受け付けていません。かならずゆうパックを使用してください。
送骨サービスの料金は合祀納骨と納骨時の法要のみで、一周忌、本堂での法要、お盆供養などは追加料金が発生します。契約時にあらかじめサービスの内容を確認し、契約後にトラブルが起きないよう気を付けたいものです。
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