葬儀相談コラム


第84回 マイナンバー制度



マイナンバー制度 ■84-1 平成27年10月から「マイナンバー」が送られる
 平成28年1月から「社会保障・税番号制度」、いわゆる「マイナンバー制度」がスタートします。住民票のあるすべての国民に12ケタの番号が振られます。これをマイナンバーと呼びます。国はマイナンバーで、年金や健康保険、税金などの情報をまとめて管理していきます。
 制度のスタートに先立ち、平成27年10月から、国民一人ひとりにマイナンバーが通知されます。マイナンバーが記載された紙製の「通知カード」が、市区町村から住民票の住所に送られてきます。簡易書留郵便ですので、知らないうちに郵便受けに入っていた、ということはありません。受け取る際には受領印かフルネームのサインが必要です。
 なお、住民票の住所と住んでいる住所が違っていたり、DVなどの特殊な事情があったりして住民票の住所で通知カードを受け取れない人は、別の住所に送ってもらうこともできます。
 「通知カード」には持ち主の「氏名」「住所」「生年月日」「性別」と12ケタの「マイナンバー」が記載されています。大切な個人情報ですから、失くさないように厳重に保管してください。金庫などで預金通帳や健康保険証、その他のカードなどと一緒にしておくとよいでしょう。




■84-2 平成28年1月から「個人番号カード」交換する
 実は「通知カード」は仮の番号カードです。平成28年1月からは、「通知カード」を「個人番号カード」に交換する手続きを市区町村窓口でおこなってください。このとき、顔写真を持参して「個人番号カード」にあわせて記載してもらいます。「個人番号カード」は、マイナンバー制度で使われるほか、免許証やパスポートの代わりに身分証明証として使うことができます。間違って落としたり失くしたりすると、大切な個人情報が漏れてしまったり犯罪に使われてしまわれることもあるので、厳重に管理してください。
 マイナンバーが使われるときには、番号が正しいかどうかの確認と、番号と持ち主が合っているかの身元の確認が、「個人番号カード」でおこなわれます。マイナンバーを手帳やエンディングノートなど、他の書類に書き写しておいて、それを使用することはできません。写したときに番号を間違ってしまうこともあるからです。番号の確認はあくまで「個人番号カード」で行われますので、大切に保管しておいてください。
 12ケタのマイナンバーは、生まれてから亡くなるまで、生きている間ずっと同じ番号が付けられます。原則として変更することができません。亡くなったあとも、番号だけはそのまま残り続けます。



■84-3 平成30年1月から銀行預金と番号が連結される
 マイナンバー制度がはじまる背景には、国が国民から公平・公正に税金や保険料を徴収したいといった狙いがあります。その一環として、平成30年1月からは、私たちの銀行預金や郵便局の貯金などに持ち主のマイナンバーが付けられ管理されることになります。国は国民一人ひとりのお金の保有状況や入出金状況について、マイナンバーを通して知ることができるようになるわけです。
 マイナンバーが本格的に使われだすと、人が亡くなるときに様々な問題が発生します。たとえば、子や孫に遺産の前渡しのつもりでお金をあげて預金通帳で管理していることもあるでしょう。預金通帳の名義を子や孫にしてあっても、通帳と印鑑は別の人間が管理していると、税務調査で「名義預金」として相続財産とみなされてしまうことになります。その結果、追加で納税が必要になるかもしれません。
 同様に、専業主婦や学生など収入を得ていないのに、自分名義の預金や株式などの金融商品を多額に持っている人、タンスに多額のお金を隠していて資産のわりに銀行預金の残高が少ない人も注意が必要です。これらの人は、マイナンバーで預金口座の情報がすべて捕捉されてしまうので、課税を逃れることができないためです。
 また、いわゆる休眠口座など、残高があるのに預金口座があることを忘れてしまっている場合も、国はマイナンバーで捕捉しており、相続税について過少申告を指摘されることがあります。 マイナンバー制度で個人の資産はガラス張りになります。私たち自身も日頃から自分の資産の状況について、エンディングノート等に記入しておくなどして、しっかり把握していきましょう。




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