葬儀相談コラム


第8回 エンディング・ノートってなあに?



エンディング・ノート ■8-1 エンディング・ノートってなあに?



エンディング・ノートを一言でいうと終活の便利なツールです。つまり人生の卒業式を控えた人が、自分はどのように生きてきたか、自分で判断できなくなった時や死んだ後はどうしてほしいか、など終末期における自分の希望や想いを書くノートとして作られました。

一般的なエンディング・ノートの内容は下記のとおりです。



*自分自身のこと(氏名、生年月日、本籍地、趣味、健康状態、病歴、主治医、今まで生きてきた道のり、将来の夢、家族や親戚・友人の名簿など)

*財産のこと(預貯金などの金融資産、不動産など)

*終末期のこと(ボケたときに望むこと、延命治療についての希望など)

*死後のこと(葬式、お墓、相続など)

*伝えておきたいこと(感謝の言葉など)



見ていただいてわかりますように、エンディング・ノートは終活の便利なツールですが、単に終末期の医療や葬式、お墓、相続のことなど、死の直前から死後のことを書き記すノートではありません。今まで歩いてきた道のりを振り返り、今ある自分の現状を把握して、これから先何をしたいのか?なにをしておくべきか?どのように過ごしたいか?を記すことができるノートです。

人間がいつ死ぬかはわかりませんが、死ぬ直前まで確実に生きています。死ぬときの準備をすると同時に、その時までより良く充実した生活をするためのとても便利なツールと言えるでしょう。





■8-2 エンディング・ノートの選び方(1)



大きな書店に行くと、何十種類ものエンディング・ノートが並んでいますが、それらはほんの一部だけ、諸団体で発行しているノートや無料で配布されるノートなども含めると百種類以上あります。これほど多いと、いったいどれがいいのか迷ってしまいますね。どのように選べばいいのでしょうか?

どのノートも8-1に挙げた項目はほぼ網羅されていますが、ターゲットや目的により充実している項目は違います。全体を網羅した一般的なノートなのか、項目を絞ったノートなのか、自分はどれに当てはまるのか、なども判断の基準になるでしょう。



*ターゲットの年齢や性別による違い

・若い人向け

・シニア向け

・女性向け

*目的による違い

・自分が活き活きと生きるため(自分に関する項目が多い)

・もし病気になったときのため(医療に関する項目が多い)

・葬式の準備のため(葬式の希望を書く項目が多い)

・相続対策のため(財産を書く項目が多い)





■8-3 エンディング・ノートの選び方(2)



*編集や監修、発行元による違い

ノートを制作・発行しようとするには、それなりの意図があります。編集者、監修している人、発行元なども選択基準になります。

・金融機関が出版⇒財産を書くページが充実

・葬儀社が出版⇒お葬式についてのページが充実

・相続関係の団体が発行⇒円満な相続のためのページが充実 など



*ノートの形

これだけ種類が多いと、ノートの形もいろいろです。

・ハードカバーのノート

・ソフトカバーのノート

・数ページの覚書の様な簡単なノート など

ハードカバーのノートのなかには飾っておきたいような立派なノートもありますが、「ノートが立派過ぎて汚すのがもったいない」と言う人もいました。また、ハードカバーのノートは途中で手を止めると、パタンとノートが閉じてしまい書きにくい、との声もあります。

ソフトカバーのノートも、カバーを外すと大学ノート、紙質にこだわるなど、様々な工夫が凝らされています。




■8-4 エンディング・ノートの選び方(3)



*ノートのサイズ

大きさはB5判(大学ノートに近いサイズ)が多いのですが、これは書店の棚に置きやすいという理由だそうです。少し大きいA4サイズのノートもあります。やはり年齢を重ねると小さい字が書きにくくなりますので、書く欄の大きさも考慮に入れたほうがよいでしょう。

実際に書くことを想定して選んでみてはいかがでしょうか。



*説明の有無

エンディング・ノートには、書くためのアドバイスやエンディングにおける知識、相続の仕組みなどの説明がついたノートもあります。

・それぞれの項目について詳しい説明がついているノート

・説明は最小限で書くことを中心としたノート

・書く部分と説明書が別になっているノート

人生の終りに向けてのことは初めての経験ですので、言葉の意味や内容などわからないことが多く、説明があると便利です。しかしあまりに説明の部分が多いと、どこに大切なことが書いているかわからない場合もあります。特に急が迫ったときに読むと気が焦って書いてあることも目に入らないこともありますので、考えものかもしれません。



色々と選び方を書いてきましたが、百聞は一見にしかず、先ずは手に取ってみてはいかがでしょうか!

執筆:河原正子(CFP認定者)
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