葬儀相談コラム


第79回 仏壇最新事情



仏壇最新事情  ■79-1 仏壇とは?

 仏壇は皆さんご存知のように先祖の位牌を置く場所であり、仏教寺院の本尊が置かれる須弥壇を一般住宅用に小型化したものです。
 仏壇にはさまざまな種類があり、桧・杉・けやきなどの針葉樹にカシュー塗りをして金箔を施し、蒔絵・飾金具などの華麗な装飾がされた「金仏壇」、黒檀・紫檀や鉄刀木(タガヤサン)などの木を使って仕上げられた「唐木仏壇」が一般的です。最近は、仏教的色彩を除いて洋間やリビングに違和感なく置ける「家具調仏壇」が流行っています。家具調仏壇は現代仏壇、モダン仏壇、新型仏壇、デザイン仏壇とも呼ばれます。
 仏壇の値段は、種類や大きさによりさまざま。ミニ仏壇と呼ばれる小さなサイズの仏壇は数万円から、金仏壇や唐木仏壇になると数十万円、大きさや材質、特注品などでは金額の上限がなくなります。仏壇は将来にわたって先祖を供養していく祭礼具ですから、新たに購入するときは入念に選びたいものですね。





■79-2 いまどきの仏壇

 仏壇に対する私たちの心は、昔と今では大きく異なっています。従来は宗教色の強い箱型の伝統仏壇が主流でしたが、最近は宗教・宗派にこだわらず自由にお参りができる仏壇が望まれており、そうした現代人の想いが仏壇のカタチにも表れてきています。シンプルな家具調仏壇のほか、壁掛式仏壇やステンドグラス仏壇なども販売されており、一見して仏壇とはわからないものも多く出てきました。また、位牌や遺影を画像として映し出すデジタル仏壇も登場しています。
 仏壇の現代化は仏具にも表れています。本尊を置かない仏壇も多く見られますし、香炉、燭台(一対)、花立(一対)の五具足なども宗教色を除いたものが売られています。
 どのような仏壇を置くにしても、亡くなった人を弔い祀る心、手を合わせて祈る気持ちは今も昔も変わりありません。仏壇の形式は変わっても、そのような気持ちは持ち続けていきたいものです。




■79-3 仏壇購入の際の注意点

 仏壇・仏具はまとめて購入すると高額になることから、仏壇業者と消費者との間でトラブルが起きることがあり、注意が必要です。トラブルの多くは仏壇の品質に関する誤表示や誤説明ですが、その主なものについて紹介しましょう。
(主なトラブル例)
・仏具店を営んでいる。マホガニーの材質の仏壇を紫檀と表示して売って良いとメーカーから言われたが不当表示ではと心配。
・5日間の展示会に出向き仏壇を購入。日本製だと思っていたが外国製だった。展示品と違い色ムラもある。解約したい。
・黒檀の仏壇を購入したが、前方にあるテーブルに水をこぼしてしまい、ふやけてきたので解体したら中が紙だった。
・仏壇の良いのを安くすると長時間勧誘されて契約。急かされて払ったが、名産地の商品だというのにその銘がない。不信。
・店舗に出向き、漆塗りと何度も確認して仏壇を契約。納品時再確認したら、漆塗りではなく、台に傷もついていた。納得いかない。
・10年前に買った鉄刀木の仏壇。丈夫な品質のはずが、購入後4年目からあちこちが剥がれ落ち始めた。納得いかない。
・先月ネット上で仏壇業者を探し説明に来てもらい、購入。ムク材だというので購入したが扉だけだった。他の商品と交換してほしい。
・4年前、地元産地の仏壇と説明を受け、100万円で購入した。1週間前、それに似せて作った仏壇と知った。返したい。
・母が購入したタガヤ製の仏壇は無垢材ではなく木材の柄の印刷物が張ってあるようだ。表示についての規制はないのか。
・3日間開催の展示会場で、タガヤサンで造られたと念入りに説明され仏壇を契約。受領後にタガヤサン調と言い直されたので解約希望。
・仏壇店によって仏壇の品質表示が違う。何を頼りに選択したらよいかわからない。法的な規制はないのか。
・屋久杉の総無垢と説明を受け購入した仏壇セット。経机の表面に2ミリくらいの板が張り合わせてある。総無垢とはいえないのでは。
・3週間前、伝統工芸品の仏壇との説明を受け購入した仏壇がそれに似せた大量生産品であることがわかった。解約したい。
・伝統工芸作家が制作と説明され契約した仏壇。先日納品されたが、作家名の記載が仏壇にも保証書にもない。この仏壇の信用性は。

・有名な店でそれなりの値段で買った仏壇にちょっとしたことでヒビが。販社と話し合ううちに中国産だと判明するが国産に変えて欲しい。
・5ヶ月前、店舗で70万円の県内産仏壇を購入したが、実際は他の産地の仏壇であった。返品し返金を求めたい。
・勤務先の仏壇販売店が海外製品の仏壇を「自社製品」と表示して店頭に出している。問題表示については何処に言うのか。
(出所)経済産業省製造産業局日用品室「仏壇産業の現状と今後のあり方に関する研究会報告書」




■79-4 仏壇と相続税

 相続時には「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物」は相続財産に含まれません(ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかります)。しかし、相続税の課税価格を計算するとき葬式費用を差し引くことができますが仏壇等の購入費用は差し引けません。したがって、相続税を少なくできる可能性がある生前の購入をお奨めします。




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