葬儀相談コラム


第75回 屋内霊園



屋内霊園  ■75-1 屋内霊園とは?

 人々のお墓に対するニーズが多様化し、寺院墓地や共同墓地、霊園などの区画に墓石を建てるといった従来の墓地・埋葬のあり方から、樹木葬や散骨、共同埋葬や合葬墓など、さまざまな形の墓地・埋葬を求める人が増えてきました。こうしたなか、納骨堂と呼ばれる屋内霊園への納骨・供養を行うケースも増えています。
 一口に納骨堂といっても形はさまざまあります。ロッカー式や仏壇式、屋内霊園式などのほか、半分が屋内、完全に屋内、ペットとの共同納骨など、サービスを提供している納骨堂によりさまざまです。いずれの場合でも、建物の中に納骨の区画を用意して、その区画ごとに料金設定される点が、屋内霊園の特徴です。
 屋内霊園は交通の利便性が高く、天候に左右されずにお参りしやすいことや、一般の墓地と異なり掃除や墓石のメンテナンスなどの手間や費用が不要であるなどの理由から人気を集めているようです。屋内霊園と呼ばれるほか、屋内墓苑、堂内陵墓、納骨堂などさまざまな呼び方がありますが、建物の中のある区画に納骨するのはどの場合も同じです。





■75-2 屋内霊園の様式

 屋内霊園は、仏壇型、ロッカー型、屋内霊園型などが代表的です。
 仏壇型は、建物の納骨室に個別の納骨檀が並んだタイプです。納骨檀とは、遺骨を個別に納めることができる固定式の収蔵庫のこと。納骨檀にもさまざまな種類がありますが、奥行き、間口、扉(片開きか、観音開きか)の違いで価格は異なります。ちなみに、納骨檀の「檀」とは、仏像などを安置して供物などを供える場所のことを指します。インドでは土壇、中国・日本では木壇を使用することが多いようです。仏壇の「檀」と同じ意味です。
 ロッカー型は、建物の納骨室に文字どおりロッカー式で納骨スペースが並んだタイプです。仏壇型のような装飾や仏具を設置するスペースはありません。
 屋内霊園式は、参拝ブースなどのスペースでICカードなどにより納骨箱を呼び出すことで自動的に搬送される形式です。自動搬送式の立体駐車場をイメージするとわかりやすいでしょう。
いずれの形式も料金はさまざまですが、一般的には権利金または永代供養料(使用料)として50万円以上、加えて護寺会費(年間管理費)が1万円以上かかります。また、一部寺院においては、契約後に門徒となることが条件になる場合もあるようです。




■75-3 インターネット参拝

 一部の屋内霊園では、納骨される故人の遺影をはじめ、墓誌、動画、音声などさまざまな情報を電子化してホームページを作成し、モニターで閲覧できるサービスを行っています。また、これらの電子情報はインターネットを利用して自宅のパソコンでも見ることができ、参拝できるようになっています。これをインターネット参拝と呼んでいます。
 インターネット参拝では、メールで願い事を送信すると、住職が仏前に祈願してくれるサービスを提供しているところもあります。また、鈴を振ると音を鳴らしたり、バーチャルのさい銭箱にお金を入れることができるなど、工夫を凝らしたものもあるようです。
 「世界中、いつでも、どこでも、パソコンでもスマートフォンでもお墓参りができる」ことを売り文句にしているインターネット参拝ですが、「神事・仏事にはそぐわない」と否定する意見もあります。お墓参りや供養は末代にわたって家族が先祖を敬い祀る作法ですから、家族・親族が納得できる埋葬・納骨を選択したいものですね。




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