葬儀相談コラム
第65回 お葬式のマナーB神道、キリスト教
■65-1 神式の葬儀(通夜祭、神葬祭)
神道の形式で行われる葬儀に参列する場合に知っておくべきマナーについてご紹介します。
神式の葬儀は、神葬祭と呼ばれます。お通夜は通夜祭と呼ばれます。仏式の葬儀では寺院の住職が執り行うのに対して、神葬祭は神社の神職が神道の形式に則って行います。
神葬祭の儀式には、亡くなった人の御霊をその家に留め、守護神となってもらうといった意味が込められています。仏式のような焼香や線香は用いられません。それに代わって、玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われます。玉串奉奠の「玉串」とは榊の小枝に紙垂(しで)を付けたもの。玉串奉奠には、玉串に自分の心を乗せ、神に捧げるといった意味が込められています。
玉串奉奠はまず、神職の前に並んで順番を待ち、自分の番がきたら、神職および遺族に一礼してから、玉串を両手で受け取ります。玉串は右が枝元、左に葉がくるように渡されます。右手の親指を下にし、左手で支えるように受け、枝元が胸の高さになるようにやや持ち上げて一礼します。そして祭壇前にすすんで玉串案に供えます。玉串案に備えた後は、遺影に向かって深く二礼し、2回忍び手(音を立てません)でかしわ手を打って一礼し下がります。この一連の作法を二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅ いっぱい)といいます。
神道の葬儀に参列する際の喪服は、仏式の場合と変わりません。
神式の葬儀の場合の香典は、表書きを「御霊前」「御榊料」「御神饌料」「玉串料」「御神前」などと薄墨で書きます。「ご霊前」は宗教宗派に限らず使えますので、予備を保管しておくとよいでしょう。
■65-2 キリスト教式の葬儀(カトリック)
次にキリスト教の形式で行われる葬儀に参列する場合に知っておくべきマナーについてご紹介します。まずは、カトリックの葬儀です。
カトリックの葬儀では、キリストの再臨と故人の復活が願われます。葬儀の場所は、故人が所属していた教会で行われ、葬儀と告別式を別に行われます。告別式は、入堂聖歌、聖歌斉唱、弔辞・弔電紹介、献花、遺族挨拶の順に執り行われます。このうち「献花」が、仏式の焼香、神式の玉串奉奠にあたる儀式で、カトリック、プロテスタントどちらでも行われます。献花には菊やカーネーションのように茎が長い白い花が用いられます。献花の作法は、両手で花を持ったまま献花台の前に進み、祭壇に向けて一礼したあと根元が祭壇のほうに向くよう右に回して花を持ちかえ、左手を下から花に添えて献花台の上に置きます。手を合わせて黙とう、深く一礼をします。黙とうは、カトリックでは十字を切りますが、プロテスタントでは胸の前で手を組みます。信者以外の人は、ふつうに手を合わせて黙とうしても構いません。なお、キリスト教では、死は永遠の命の始まりであり不幸な出来事ではないという考えなので、遺族に対しお悔やみは述べません。
キリスト教式の香典は、表書きに「御花料」と書きます。カトリックの場合のみ「御ミサ料」と書いても構いません。
■65-3 キリスト教式の葬儀(プロテスタント)
プロテスタントの葬儀では、祈りは神のために行われ、葬儀も神への感謝と遺族を慰めるという意味が込められています。プロテスタントではカトリックと違って葬儀と告別式が一緒に行われます。入場、聖書朗読・祈祷、牧師説教、弔辞・弔電紹介、祈祷・オルガン奏楽、告別の祈り・献花、遺族挨拶の順で進みます。
なお、カトリックでは神父、プロテスタントでは牧師、カトリックでは聖歌、プロテスタントでは賛美歌と呼び方が異なりますので気を付けましょう。
*カトリックとプロテスタントについて
カトリックとはイタリア、バチカン宮殿のローマ法王を頂点とした組織で、神父、修道士、修道院等がおり結婚をしないで神に仕える事が美徳とされ、聖母マリアは聖なる女性として特別な存在、プロテスタントとは数百を超える宗派があり、結婚は可能で女性の牧師もおり、聖書に出てくる母マリアはただの人間として見なされる、教義の大きな違いは、カトリックの神父は個人と神の間に位置する仲介役であり、プロテスタントでは父・子・聖霊の三位一体の神だけ信じ祈る対象とされている。
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