葬儀相談コラム
第54回 グリーフケア
■54-1 グリーフケアとは
グリーフ(grief)とは「深い悲しみ」「悲嘆」のこと、ケア(care)とは「世話」「配慮」「介護」「看護」のこと。つまり、グリーフケアとは「身近な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるようそばにいて支援すること」を意味しています。
かけがえのない、愛する人が亡くなったとき、人は深い悲しみに陥り、立ち直るまで時間を要します。また、支える人がいなければ自分では立ち直れないほど悲嘆にくれることもあります。愛する人の死が突然であるほど、その精神的な落ち込みには激しい傾向があります。
愛する人が家庭の精神的支柱であると同時に、家計の大黒柱であることも多くあります。そうした大切な家族の不幸は、精神的な側面はもとより経済的にも残された家族にダメージを残し、それが精神的な落ち込みをも増幅させてしまいます。
反対に、経済的な困難が起きたとしても、精神的な支えを得ることができれば、あるいは自分自身で前向きな精神状態を早期のうちに取り戻すことができれば、置かれた状況を元の状態に戻すことができるようになります。
こうしたことから、葬儀を体験する前段階で、グリーフケアに関する知識を持っておくことが、とても重要なことと認識されはじめています。
■54-2 グリーフの症状とケアのポイント
グリーフ(悲嘆)の症状は、@精神的な反応、A身体的な反応、B日常生活の変化など、様々な種類と場面であらわれます。
感情の麻痺や恐怖に似た不安、孤独、寂しさ、無力感などが精神的な反応の主な症状です。
身体的な反応としては、睡眠や食欲の障害、体力低下、疲労、頭痛、肩こり、めまい、動悸、血圧上昇などがみられます。深刻なケースでは診療を受ける必要もあるでしょう。
ぼんやりすることが多い、涙もろくなった、落ち着きがなくなったなど、日常生活について行動変化が現れることもあります。
グリーフケアにあたっては、まずはそうした悲嘆にくれる人のそばに寄り添うことが大切です。寄り添うことで悲嘆の原因となっている心の整理に導いてあげて、ストレスを軽減してあげるのです。
グリーフケアが早く適切であるほど、立ち直りは早いとも言われています。グリーフケアは病気ではなく、正常な人が正常に体験するプロセスでもあります。深刻な状態に陥る前に、適切なケア(寄り添い)を行うことが大切です。
■54-3 グリーフケアアドバイザー
グリーフケアについて専門的な知識を身に付けたいという人を対象に、一般社団法人グリーフケア協会では「グリーフケアアドバイザー」認定講座を開講し資格の認定を行っています。資格の詳しい内容について、また、グリーフケアアドバイザーの支援について知りたい場合は、直接問い合わせてみてはいかがでしょうか。
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