葬儀相談コラム


第49回 私はどこの宗派?



宗派 ■49-1 日本における宗教

 わが国では、神道系、仏教系、キリスト教系、諸教各系の様々な宗教文化が混在し、宗教ごとに教団や宗教法人を形成しています。最も多いのが神道系です。私たちが一般的に神社と呼んでいるもので、神社本庁加盟のもと、全国で8万を超える法人を数えます(文化庁編『宗教年鑑(平成24年度版)』)。
 神道系の次に多いのが仏教系です。一般的には寺院と呼ばれるものです。文部科学大臣が所轄する宗教法人として、天台宗、真言宗、律宗、浄土宗、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗、浄土真宗、日蓮宗、時宗、融通念仏宗、法相宗、華厳宗など、156の仏教宗派が存在しています(平成23年現在)。
 このほか、キリスト教系としてはカトリック、プロテスタントを含む諸団体、さらに諸経各系を数えます。信者数全体でそれぞれの系列の占率をみると、神道系が51.2%、仏教系が43.0%となっており、この二つで9割を超えています。
 葬儀については宗教毎に様々な儀礼・儀式の様式がありますが、日本においては、ほとんどの人が神道系または仏教系と言えるでしょう。




■49-2 仏教系で多いのは?

 さまざまな宗教のうち、私たちにとって最もなじみが深いのが仏教系でしょう。一口に仏教系と言ってもさまざまな宗派があります。大きく分けると、天台系、真言系、浄土系、禅系、日蓮系、奈良仏教系などがあります。これらの系統のうち信者数が最も多いのが浄土系で、仏教系全体のうち4割弱を占めています。




■49-3 浄土系にもさまざまな宗派がある

 仏教系の中で最も信者数が多いのが浄土系ですが、さらに浄土系の中でも浄土真宗系が多いようです。そして、浄土真宗系にもさまざまな宗派があります。本願寺派、大谷派、高田派などがあり、本願寺派が浄土系の約4割を占めています。
 浄土真宗本願寺派の本山は京都にある竜谷山本願寺、通称は西本願寺と呼ばれています。これに対し、真宗大谷派の本山は同じく京都の真宗本廟、通称は東本願寺です。真宗高田派の本山は三重県津市の専修寺です。
 浄土真宗は、鎌倉時代の僧、親鸞の教え(南無阿弥陀佛)を親鸞の没後、弟子たちが教団を構え発展させていた宗派ですが、葬儀にあたっては、同じ浄土真宗だからといって異なる宗派の僧侶に読経をお願いすることはありません。
 最近は宗教離れが進み、自身や家系がどの宗派に属していたか不明なことも珍しくありません。法事の際には、宗派を把握しておいたほうがよいでしょう。
 なお、浄土真宗では、生前に帰敬式(おかみそり)という儀式を行い、門徒になって法名を授かることができます(法名は他の仏教で戒名と呼ぶもの)。


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