葬儀相談コラム


第32回 直葬



直葬 ■32-1 直葬とは?

 直葬(ちょくそう)とは、通夜や告別式などの葬礼儀式を行わず、火葬のみで行う葬儀の形態のことです。近年、広く普及してきている家族葬のなかでもさらに簡略化した形態で、近親者や友人など限られた関係者だけで執り行われるケースが多いと言われています。

火葬場の手配は、遺族が直接行うことはできず、葬儀社に依頼するのが一般的です。火葬場には公営と民営があり、公営火葬場のなかには、火葬室の料金を無料とし、霊安室の料金を1日数千円とする極めて安価なところもあります。また、公営火葬場は遺族が火葬場に直接足を運んで、火葬許可証を提出したうえで申請・利用料納付・使用許可証の発行手続きができる場合もあります。葬儀社を通さずに火葬したいときは、お近くの公営火葬場の情報を収集してみることをお奨めします。
一方、民営火葬場では、火葬等の料金はさまざまです。火葬料金はランクにより5万円から20万円程度、そのほかに休憩室、霊柩車、保棺、式場、容器等が有料となり、ランクにより料金設定されています。このように、火葬を行うだけでも手順や料金等が複雑なため、その一式を葬儀社に任せて執り行うことが一般的と言えます。
民営火葬場で直葬を行った場合の料金は、選択するランクにもよりますが、20万円程度と安価で済ませることもできます。葬儀に係る平均費用は200万円といわれていますから、直葬によればその1割程度で済ませられることになります。


■32-2 直葬の注意点

 葬儀を軽い負担で済ませられる直葬ですが、執り行うには注意点があります。
第一に、遺族が公営火葬場で直接手続きをし執り行う場合は別にして、民営火葬場で行う場合には葬儀社に任せることになります。葬儀社によっては、直葬は一般的な葬儀に比べて安価なために、遺族への対応に問題があるケースもないわけではありません。直葬であっても、葬儀社の料金に対して納得がいくまでしっかりと説明をしてもらうことや、見積書の提示を求めることは言うまでもありません。場合によっては、複数の葬儀社に見積書の提示を依頼して比較検討してみることもよいでしょう。
第二に、実際に直葬を行う際には、見積(計画)どおりの進行を葬儀社が行ってくれているか、進行に滞りがないか、金額どおりのサービスが履行されているかにも注意が必要です。なかには、見積段階はあくまで基本料金の提示にとどめ、直葬時にオプション料金が追加されるケースもないわけではありません。
第三に、直葬を行うことについて、参列者や菩提寺の住職などに十分に説明を行っておき、万が一にも、火葬当日にトラブルが生じないよう配慮すべきでしょう。火葬を含め葬儀はやり直しのきかないセレモニーです。安価に済ませる直葬といっても、葬儀に携わる方のお見送りの気持ちを害さないように注意をしましょう。


■32-3 火葬後の遺骨の引き取りを行わない「ゼロ葬」

直葬により通夜や告別式を行わなければ、それだけで葬儀費用の負担は軽くなりますが、火葬後の埋葬・供養にも費用がかかります。お墓を一から建てようとすると数百万円の費用がかかることもあります。
そこで、最近は、直葬で火葬を行い、遺骨の引き取りを行わない「ゼロ葬」と呼ばれる形式も現れ始めています。
引き取られなかった遺骨は、火葬場によって産業廃棄物として処分されます。
ゼロ葬は、供養についてまったくこだわりがない場合の究極の葬儀形式といえますが、さまざまな事情によりゼロ葬が選択される場合もありえるかもしれません。


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