葬儀相談コラム


第3回 終活に欠かせない整理収納



整理収納 ■3-1 片付けられないシニアたち

“終活”というと、人生をどのように締めくくり旅立つか? 後に憂いなく旅立つために家族への財産分与はどのように決めておくか?
といったことに注力するのが一般的です。しかし、それよりもっと身近なこと、持ち物の整理について考えてみませんか。
例えば、シニア世代が夫婦二人きりで暮らしているのに、「なぜかモノが増えている」ということはありませんか?
その理由の一つには、年齢を重ねると、モノを整理する気力や体力が衰えてしまうことが挙げられます。日常、生活を送っていると、食品や雑貨のストックなどのほか、頂き物や郵便物、新聞や広告などが増えていくもの。知らぬ間にリビングが雑然としてしまうこともよく見る光景です。年齢が若いうちであればモノを溜めてから片付けることができても、年齢を重ねることで気力があっても体力が追いつかず、モノが整理できない…ということになりかねません。
高齢者がモノを片付けられない、片付けない理由として、育ってきた環境や教育も大いに関係しているでしょう。
シニアといわれる世代の多くが第二次世界大戦の物資が不足している時代を経験しています。「モノが壊れてから買い換える」「余分なモノも捨てずにとっておく」といった物を大事にする感覚が大きいからです。現役世代には足りない大切な考え方ではありますが、モノを闇雲にとっておくことは整理収納の観点からはNGです。家族で協力をしながら、少しずつでも片づける習慣を身につけたいものです。

■3-2 住み替えや要介護状態になったどうする?

「家が広いから少しぐらいモノが増えても大丈夫」という人も少なくありません。とはいえシニア世代は、加齢とともに高齢者住宅への住み替えや子世帯との同居といった住み替えが想定されます。住み替える際には、今の住まいから住み替え先へと移せるモノは限られてしまうかもしれません。
高齢者住宅へシングルで住み替える場合、住まいは1DKか1LDKで30uから50u程度が一般的な広さでしょう。もし、住み替えることになったら、モノの整理だけで相当な労力が必要になることは、容易に想像できますね。
要介護状態になったときのことも想定しておきたいところです。要介護度にもよりますが、万一、要介護となったときには、自分のモノを自分で管理することはおろか、モノが介護の妨げになることもありえます。
寝たきりになった際にはもっとたいへんです。自分では何もできないだけでなく、どこに何があるのかさえも分からなくなっていることも考えられます。
残されたモノは自分以外の家族にとっては、価値のない資産になることも忘れてはいけません。処分に手間がかかり、費用の負担もありえます。
・何を残すべきか?
・何を処分するべきか?
・美術品などは価値があるのか?
・価値はないのか?
など、遺族では見極めは難しいもの。これらの資産を残さないためにも、できるだけ本人が元気なうちに、身の回りの整理に取り組んでいきたいものです。

■3-3 取捨選択は本人が実行する

持ち物の整理は、たとえ家族であっても、無理に処分させることは避けましょう。子どもや孫の世代から見ると「価値のない」と思えるようなモノでも、本人にとっては大切な思い出が詰まっているモノもあるのです。何を残して何を処分するのかを本人が考えてから処分し、整理するようにしたいものです。
処分するときには、そのモノを所有する意味を考えることがとても大切です。
・本当に必要なものか?
・いつか使うのか?
・今使うものなのか?
を見極めながらモノを仕分けていくと良いでしょう。「もったいない」という理由からモノを所有しても、モノは活かさなければ意味ありません。
今まで使わずに所有していたモノであっても、なかなか処分できないこともあるでしょう。そのような場合には無理に処分せず、「1年間使わなければ処分する」というようなルール作りもよいでしょう。
モノにも適材適所があるものです。不要なモノを取り除いたら、必要なモノを使う場所へ収納する。家族と相談しながら収納先を決めていくことで、収納先が家族全員に周知でき、きっと便利さもアップするはずです。。

■3-4 終活に役立つ整理収納

(1)安全第一
住み慣れた我が家でも、家の中のモノにつまずいてケガをしたり、災害時などでモノが崩れ落ちたためケガをしたり、もしものときの脱出経路を塞がれてしまうなどのことが考えられるます。整理収納に当たっては、使いやすい場所へ収納するのはもちろんですが、安全性を考えた収納も心がけたいところです。
(2)ラべリング
収納する際には、どこに何がおいてあるのか分かるように、シールなどでラベリングするとよいでしょう。万一、要介護状態になった際には、身の回りの世話をする家族などにとっても大いに役立ちます。

執筆:飯田道子(CFP認定者)
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