葬儀相談コラム


コラム第28回 音楽葬



音楽葬 ■28-1 音楽葬とは?


一般的な葬儀で行われる仏式での読経、キリスト教葬での讃美歌等に代わって、故人が生前に好んで聴いていた楽曲を、生演奏やテープ録音等で葬儀会場で流すものを音楽葬と呼んでいます。音楽葬は、宗教に関係のない葬儀や会社で行われる社葬など、さまざまな葬儀で用いられる、音楽中心の葬儀で、近年、自由葬の一つの形態として、ポピュラーになってきています。


個人の葬儀では、生演奏の場合、ピアノや弦楽四重奏団などが一般的です。録音の場合はCD-ROM等が使用されます。団体での葬儀では、大規模に管弦楽団や合唱団などによる献歌が行われる場合もあり、形態はさまざまです。


音楽としては、主にクラシックでは宗教音楽などが使用されます。例えば、「アダージョ」(アルビノーニ作曲)、「組曲ペールギュント」よりオーゼの死(グリーグ作曲)、4つの伝説曲より 「トウオネラの白鳥」(シベリウス作曲)、ピアノソナタ第2番 「葬送」第3楽章(ショパン作曲)、「新世界」より「家路」(ドボルザーク作曲)、「弦楽のためのアダージョ」(バーバー作曲)、ピアノソナタ「悲愴」(ベートーベン作曲)、「レクイエム」(モーツァルト作曲)などが使用されるようです。


 また、歌謡曲やポップスでは、故人が生前に良く聴いた曲が流されることが多いです。




■28-2 音楽葬の一般的な流れ


音楽葬は、以下の流れでとりおこなわれるのが一般的です。


事前演奏 開式前に準備が整い、会葬者が着席され落ち着かれるまでの間、事前演奏を行う。
献灯 遺族が火を灯したロウソクを手に入場し、祭壇の蜀台へ点灯する。
開式の辞 司会者による開式の告知。
黙祷 参列者全員により静かに黙祷を捧げる。
献奏 在りし日の故人を忍び献奏が行われる。
故人の生涯を紹介 故人が好んでいた曲などを演奏。演奏をバックに故人の生涯を紹介。
送る言葉 送る言葉のバックとして唱歌や美しいメロディーを演奏。
弔電披露 弔電披露の際、BGMとして演奏。
指名献花 指名献花ではBGMを演奏。
一般献花 一般献花でもBGMを演奏。
遺族代表謝辞 参列者に対して喪主による挨拶。遺族代表謝辞でも音楽を演奏する。
閉式の辞 遺族代表謝辞から続いた音楽は、閉式の辞で止まる。
お別れの儀 最後のお別れの儀から出棺までは故人が好んでいた曲がリフレインで演奏。
出棺 出棺後も会葬者が式場から立ち去られるまで演奏が続く。



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