葬儀相談コラム


第21回 市民後見人とは?



市民後見人 ■21-1 市民後見人とは?


市民後見人とは、弁護士や司法書士などの資格はもたないものの、社会貢献への意欲や倫理観が高い一般市民の中から、成年後見に関する一定の知識・態度を身に付けた良質の候補者として選出された人をいいます。

もともと、後見人となるための特別な資格はありません。本人の心身の状態や生活・財産の状況、職業・経歴・本人との利害関係の有無、本人の意見その他一切の事情を考慮して家庭裁判所が選任します。

通常は、親族が後見人となる場合以外は、家庭裁判所が信頼できる専門職(弁護士・司法書士・社会福祉士)を後見人として選任していますが、今後は、市民後見人が後見人となるケースが増えていくことが予想されています。




■21-2 市民後見人の役割は?

成年後見人と変わりませんが、複雑な法律問題や紛争がなく、専門職でなくても対応できるケースを担当し、生活の見守りや「限られた収支を本人のためにどのように使っていくかを考え執行する」など、身上監護中心で本人に必要な後見業務を行います。

市民後見人の役割は、判断能力が不十分なために自らの権利を守り、安定した生活を維持することが困難な人のために、必要な契約や法律行為をご本人に代わって行うことにより、生活と権利を守ることにあります。

後見人の仕事は、本人が亡くなるまで、責任をもって担っていきます。また、後見の仕事は家庭裁判所の監督を受け、収支状況の報告等の事後処理も適切に行われます。




■21-3 市民後見人に支払う報酬は?


市民後見人は、報酬付与の審判申立を行いません。後見業務に要した実費は、被後見人の資産から支払われます。後見人報酬は、当然に支払われるものではなく、家庭裁判所の決定を得る必要があります。家庭裁判所は報酬を与えるか否か、与える場合にはその額を審判で決定します。本人に資力がない場合は、後見人報酬が支払われない場合も多くみられます。

市民後見人が後見人として選任されるケースは、本人に資力が少なく、身上監護を中心とした場合が想定されます。また、市民後見人は、社会貢献への意欲が高く成年後見に関する一定の知識や態度を身につけた人が、地域における相互支援活動として市民という立場を活かした後見活動を行う点からも、報酬を前提としていません。




■21-4 市民後見人の仕事の内容は?


例えば、「本人の財産の把握と管理」「年間の収支計画の作成」「本人の日常生活を維持する上で必要な生活費や預貯金の管理」「生活状況の把握と、必要な福祉サービス等の利用契約」「悪質な訪問販売等からの保護」等があります。

ちなみに、介護や家事は、後見人の仕事ではありません。本人の生活に必要なことであっても、直接後見人が行うのではなく、必要な福祉サービス等を利用することができるよう、行政機関やサービス提供業者と調整し、必要な契約等を行うことが後見人の役割です。


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