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第183回 子のない夫婦の相続は遺言書で揉め事回避!



   
  *子のない夫婦の相続は遺言書で揉め事回避!

●183-1 子のない夫婦にもしものときの相続人と法定相続分
 相談者のように、子のないご夫婦で夫にもしものときの相続では、配偶者である妻と夫の兄弟に夫の財産を相続する権利があります(夫の両親が亡くなっている場合)。相続する権利を持つ人のことを相続人と呼びます。相続人が財産のどれだけを相続できるかは法律で決められています。

本ケースでは、奥様が財産の4分の3、ご兄弟が4分の1を相続することができます。この割合を法定相続分と呼びます。仮に、相続財産が現金4,000万円とすると、奥様は3,000万円、ご兄弟は1,000万円を相続できます。

●183-2 義理の間柄での相続は揉めやすい
 財産の4分の3を奥様が相続できるとはいえ、奥様と夫のご兄弟は赤の他人、義理の間柄です。生計関係になかった夫のご兄弟に4分の1も相続されてしまうのは、奥様としては腑に落ちないかもしれません。もし、相続財産が現金ではなくて自宅の不動産だけだったとすると、その不動産を売却して換金し、そのお金を法定相続分どおりに奥様とご兄弟で分けなければなりません。これでは、奥様が住む家を失ってしまいます。自宅を売却せずに、ご兄弟にお金を渡す方法もありますが、まとまったお金がなければそれもできません。

 ご兄弟の側としても、もらえるものならもらいたいと願うものです。ご兄弟が複数人いるとか、ご兄弟の経済状態が思わしくないとか、相続の権利を持たないご兄弟の配偶者がご兄弟に入れ知恵するとか、様々な事情から遺産分割で揉めるケースは枚挙にいとまがありません。

●183-3 遺言書をのこしておけば全財産が配偶者に!
 ご安心ください。ご主人様が生前に「すべての財産を妻に相続する」と遺言書に書き残しておけば、相続財産はご兄弟には渡らずに、奥様が相続財産のすべてを受け取ることができます。  このように、遺言を書き残しておくことで、財産を自由に処分することができます。まったく赤の他人に遺産を与えることもできるわけです。しかし、それだけを認めると、残された家族の生活が守られなくなる可能性もあります。

そこで、遺言があって財産を受け取れない場合でも、相続人が最低限の割合の財産を請求できる制度が定められています。これを遺留分と呼びます。  相談者のケースでは、相続人は奥様と夫のご兄弟だけです。この場合、ご兄弟には遺留分はありません。したがって、遺言によって全財産を奥様に残すことができるというわけです。  以上のように、遺言でご兄弟の主張を退けることが可能です。

ただし、ご主人様にもしものときの葬儀、お墓、供養などで、ご兄弟との関係は続いていくことと思われます。遺産分割で妥協する必要はありませんが、良好な人間関係を継続できるよう、話し合いで円満に解決するように努めてくださいね。

 






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