*香典のマナー
●180-1 香典の由来と金額の考え方 香典は、霊前に供える香木をさしたものが、現在は香のかわりにお金を包んだものとして広がっています。香典の金額は、故人が親族、友人、知人か、故人との付き合いの度合い、故人の社会的地位、地域の習慣によって違ってきます。 香典には、喪家の葬儀費用の負担を少しでも軽くして差し上げるという意味も込められています。また、親しい身内の場合は葬儀費用の分担という意味合いもあります。 香典の金額は、故人が一家の主人や主婦の場合は多めに入れるのが礼儀です。香典を出す側の立場によって金額は多かったり少なかったりしますから、同じ立場の人と事前に話し合ってみてもよいでしょう。 香典の金額が少ない場合は、葬儀のお手伝いをするなどの方法で補うこともできます。また、仕事の取引先の場合は、会社の部署や同僚との合同で香典を用意することもあります。 なお、香典袋に入れる金額は偶数と九を避けてください。 ●180-2 香典袋の書き方 香典の包みは市販の香典袋を使いましょう。蓮の花の付いている袋は仏教式以外では使えませんのでご注意ください。表書きには、薄墨を使うのが正式で、中央上段に仏教式では「御霊前」「御香料」「御香典」と書きます。 「御仏前」は葬儀の後で使うのが適当です。神道では「御霊前」「御玉串料」「御榊料」「御供物料」、キリスト教では「御花料」「御霊前」と書きます。中央下段には姓名を書き入れます。内袋には住所と金額を記入します。 水引きは白黒、双白、双銀などの結び切りが適当です。 ●180-3 香典を渡すときのひと言 香典は、もともとは祭壇に直接供えるものでした。現在は受付係またはご遺族に渡します。この際、「ご霊前にお供えください」とひと言添えましょう。葬儀と通夜の両方に参列する場合は、香典は通夜の時に渡します。 ●180-4 通夜、葬儀に出席できないとき 通夜、葬儀ともに出席できないときは、現金書留封筒で郵送します。香典袋に現金を入れ、お悔やみの言葉を添えて同封します。 ●180-5 香典を辞退されたとき 最近は、家族葬などで身内だけで葬儀を済ませるケースが増えてきました。そのため、喪家や故人の都合で、香典を辞退されることがあります。その場合にはむりにお渡しせずに喪家の意向に沿うのが自然な振る舞いです。お悔みの気持ちを伝えるのは、香典だけではありません。法事のタイミングで御仏前などをお渡ししてもよいかもしれません。 |