葬儀相談コラム

コラムTOP

第178回 心づけはわたす?わたさない?



   
  心づけとは、「特別な配慮に対する感謝のしるしとして与える小額のお金」のこと。葬儀のときだけでなく、婚礼のとき病院に入院したときなど、さまざまな場面で心づけを渡す慣習があります。葬儀の際の心づけは、一人につき2,000円から5,000円程度を渡すのが一般的です。
 「お葬式を経験して一番困ったこと」の第1位が、心づけやお布施の額への疑問だそうです。とくに値段が決まっているわけではなく、必ず渡すものではないため、葬儀を経験する多くの方が「どうしたらよいかわからない」と感じているようです。
●178-1 心づけは誰に渡す?
 心づけは、受付や道案内などで葬儀を手伝ってくれた知人や近所の人、葬儀社の人、火葬場の係員、控室の係の人、料理配膳人、霊柩車、ハイヤー、マイクロバスの運転手などに渡すのが通例です。
 お金は半紙で包むか、白い封筒や市販の小型の不祝儀袋に入れます。表書きは薄墨で「心付け」や「志」などとし、家名を入れることもあります。表書きがなくてもかまいませんが、心づけは喪主や遺族が渡さずに、葬儀社や世話役の人から渡してもらっても問題ありません。また、葬儀社が心づけを立て替えて、葬儀料金とともに精算する場合もあります。葬儀料金の中に「心づけ」や「サービス料」としてあらかじめ見積もられていることがありますので、見積書をしっかり確認してください。
 なお、葬儀費用は相続税の対象から引かれます。領収書をもらえない心づけは、金額をきちんと記録しておきましょう。

●178-2 心づけを受け取らないことも多い
 近年、家族葬が増え、葬儀費用はできるだけ小額でという葬儀が増えてきており、そうした中、心づけを受け取らない葬儀業者が増えてきました。一方で、心づけを見積書に記載せず、精算の時点で心づけを請求するといった悪質な葬儀業者の例もあり、心づけの習慣そのものが薄れてきているとも言えそうです。
 ただ、「葬儀の係の人に心づけを渡したら途端に親切に対応してくれた」といった話も耳にします。「気は心」とも言いますね。心づけはお世話になった人に対し、たとえ小額でも誠意や感謝を込めて渡すものです。お金ではなく気持ちの問題としてとらえてください。
 






全国版トップ