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第176回 冠婚葬祭互助会は得?損?



互助会
   
  ●176-1 冠婚葬祭互助会とは?
 互助会の正式名称は冠婚葬祭互助会です(以下、互助会)。互助会は、割賦販売法という法律に基づいて経済産業省の認可を受けた事業で、法律上は前払式特定取引業と呼びます。加入者から前払いで掛金を分割で受け取り、葬儀や結婚式などの冠婚葬祭サービスの取次ぎを行っている事業です。
 例えば、一口3,000円の90回払いで加入すると、7年6カ月で27万円がたまります。この27万円を結婚費用や葬儀費用の一部に充てることになります。掛金の累計額で不足する分は加入者が別に負担します。したがって、2口、3口と複数口をセールスされることもあります。
 互助会側から見ると、加入者の掛金は前払いで受け取ることができます。そのお金を運用して利益を生み出すことができるというしくみです。平成28年3月現在、互助会数は全国で268社、掛金残高は全体で2兆4,000億円を超えています。これは、一つの地方銀行の預金残高に匹敵する金額となります。

●176-2 冠婚葬祭互助会に対する認可と規制  互助会は、経済産業省の認可を受けるため、一定額の保証金を積まなければ開業できません。また、互助会は加入者からの掛金の2分の1を安全に保管するよう義務付けられています。万一、互助会の経営が立ちいかなくなっても、掛金の半分は取り戻せるしくみです。互助会の掛金は、将来の冠婚葬祭サービスの購入の扱いになるため金利は付きません。

●176-3 互助会の解約
 互助会を解約するときには、2万円から4万円程度の解約手数料がかかります。解約手数料には、募集費、契約管理費、入会手続き費、集金費、会員管理費、解約手続き費などが含まれます。
 互助会については以前より「互助会が解約に応じない」「解約手数料が高い」「強引な勧誘を受けた」「加入時の説明に不備があった」などの、多数の不満や苦情がありました。互助会全体に関する苦情・相談が年間3,500件程度あるのに対し、解約に関する相談だけで約2,000件と半分以上を占めています。こうしたことを背景に、大手の互助会を中心に、解約手数料を引き下げる動きが出ています。

●176-4 互助会のメリット・デメリット
 互助会に契約すると、結婚式の費用や葬式の費用について一般価格より割安な特別価格で提供される特典があります。特別価格は一般価格の50%割引としている例が多いようです。ただし、割引といっても元の一般価格が妥当な金額かどうかを知るのは難しいため、他の互助会の価格と比較・検討して、互助会の特別価格が本当に割安かどうかを判断する必要があるでしょう。
 また、互助会の規模によっては利用できる葬儀会場等が地域限定である場合があります。引越しなどで互助会から遠く移り住む場合、互助会のサービスを受けられなくなり、結局は解約せざるをえないということも注意しておきたい点です。
 






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