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コラム172回 はじめての焼香

焼香

葬儀の参列者として最低限押さえておきたい、拝礼、焼香、数珠の使い方について説明しましょう。



■172-1 拝礼
葬儀では神仏や故人に対し礼をつくして拝みます。これを拝礼と呼びます。拝礼には順番があります。喪主、遺族、親族、世話役の順に拝礼し、そのあとに他の参列者が続きます。どの参列者が親族か他の会葬者なのかはわからないこともありますが、葬儀社の世話係の人などが座席の位置や拝礼の順序を案内してくれますので、それにしたがってください。世話係がいない場合は、喪主または遺族の指示にしたがってください。

 拝礼は、遺族への立礼→本尊または遺影への立礼→焼香→合掌→本尊または遺影への立礼→遺族への立礼と進みます。立礼とは立って行う拝礼のこと。まれに座敷で行う葬儀がありますが、この場合は座礼をします。座礼の場合は、焼香台まで立ち歩かずに膝行(しっこう:ひざで進むこと)します。焼香台ではなく、座位置のまま香炉で焼香することもあります。これをまわし焼香といいます。

 拝礼は喪主、遺族…と進みますので、その他の参列者の場合は、前の人の拝礼のしかたを参考にするとよいでしょう。



■172-2 焼香
 焼香は拝礼の中の一つの行為です。遺族への一礼、遺影への一礼を終えたら、次が焼香です。手を合わせる合掌は焼香のあとです。

 焼香はまず、香炉の右側に置かれている抹香を親指、人差し指、中指の3本指でつまみます。つまんだら目の高さまで上げ、その高さからゆっくり香炉まで手を下げて抹香を香炉の中に落とします。このあと合掌します。まれに抹香ではなく線香の焼香の場合もありますが、他の参列者の作法をまねてください。

 焼香の仕方は仏教宗派で異なります。門徒をもっとも多く抱える宗派は浄土真宗です。浄土真宗ではつまんだ抹香を目の高さまで上げずに、つまんだらすぐに香炉に落とします。また、浄土真宗の焼香の回数は1回です。他の宗派では、2回または3回もあります。ただし、回数が多いほど拝礼の気持ちが深く込められるわけではありません。通常は、焼香は1回と覚えてください。同様に、線香の場合も1本でかまいません。


■172-3 数珠の使い方
 数珠は左手の親指以外の指を伸ばしてかけておきます。長い数珠はひとひねりして二重にして左手にかけてください。焼香のときは数珠を持った左手を胸の前におき、その指先を遺影の方に向けます。焼香は右手で行います。

 合掌するときは、左手の数珠の輪に右手指を指し入れて、両手を合わせて数珠をかけてください。

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