第171回 はじめての喪主
■Q:昨年、余命宣告を受けていた母が数日前に危篤になりました。元気な頃に「私にもしもの時は喪主をお願いね」と頼まれていました。家族が亡くなるのははじめてのことで、近くに相談できる親戚もいません。母にもしもの時までに、喪主としてなにをすればよいのか教えてください。
■A:喪主とは遺族の代表者、遺族は喪家(もけ)と呼びます。喪主のつとめには、危篤から臨終まで、葬儀の準備、通夜・葬儀・告別式、火葬・埋葬、葬儀後の各種手続きの5つの段階があり、それぞれにやることがあります。
喪主様として最初にやること、ここではご危篤からご臨終までに喪主様がやることについて紹介します。
■171-1 近親者、友人、知人に連絡する
ご家族の中でも最も近しいお母様がご危篤ということで、ご心配のこととお察しします。お母様のご快復を信じてお祈りいたします。一方、ご容態が悪くなると周囲の皆様は、もしもの時のこともお考えのことでしょう。医師から「お別れさせたい方がいらっしゃいましたら今のうちに」と告げられているかもしれません。まずは気持ちを落ち着かせるとともに、心に余裕を持ちながら、もしもの時の準備を進めましょう。
最期を看取るまでの間にお別れをされたい方には連絡をします。次の二つの手順を進めてください。
・連絡先のリストを作る
・電話ですみやかに連絡し危篤のことを伝える
相手が不在の時は、留守番電話に用件を残すかファクシミリで送付してください。どちらでも連絡がつかない時は、電報を打つことをおすすめします。
■171-2 葬儀業者を決める
もしもの時はいつ訪れるかわかりません。あらかじめ葬儀業者を決めておきましょう。葬儀業者には、葬儀社、互助会、農協、生協などさまざまあります。お母様が会員になっていた互助会があれば、その葬儀業者に連絡を取ってください。葬儀業者にあてがなければ、ご親戚や近所の知人に相談してみるのもよいでしょう。
■171-3 菩提寺に連絡する
先祖代々のお墓のあるところを菩提寺と言います。菩提寺がわかるようでしたら、菩提寺にも「危篤になっている」ことを連絡します。葬儀になると菩提寺から僧侶が来てお経をあげてもらいます。菩提寺が遠方の場合は、同じ宗派の近くのお寺さんを紹介してもらえます。
以上のほかにも、急のもしもの時に備えて喪服を用意しておいてください。用意できない時は喪服レンタルを利用しましょう。黒い財布、白いハンカチ、ディッシュペーパー、アドレス帳、
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