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第157回 お墓の契約



お墓の契約
  ●墓石の購入では、金額や支払方法についてトラブルになるケースがあります。墓石の相場は一般の人にはわかりませんし、そもそも頻繁に購入するものでもありません。トラブルを避けるには、見積書を取ることと、即断即決せずに慎重に検討することが大切です。

●157-1 墓石の購入時には必ず見積書をとること
 お墓石の購入に関するトラブルで最も多いのは価格に関するものです。その原因の一つが、購入時の価格の提示が見積書ではなく、口頭で行う石材店が多いことです。墓石を購入する際には、石材店のスタッフの同行のもと霊園を見学。気に入った墓石を前にしてスタッフに金額を聞くと「○○○万円です」と教えてもらえるというパターンです。

その後、提示された金額で購入。この間、見積書も契約書もありません。そんな購入例は少なくありません。

 一口に墓石と言っても、石の種類や産地で金額や品質は異なります。例えば花崗岩に比べて安山岩は柔らかく劣化が早くなります。当然ながら墓石は硬い石を選ぶべきでしょう。同じ種類の石でも、国産か外国産かで品質が異なることもあります。産地によっては金額が大きく異なるため、比較的安い中国産や東南アジア産を知らぬ間にすすめられることがあります。品質の劣る墓石の場合、年月が経つと傷付いたり欠けたりすることもよくみられます。

 墓石の購入にあたっては必ず見積書をとりましょう。見積書の項目は、「一式」などまとめてあっては意味がありません。「墓石代」「加工代」「付属品代」「文字彫刻代」「工事代」など、細目が書かれたものを要求しましょう。細目があれば複数の見積書を比較検討する際にも役立ちます。細かな見積書を出してくれる石材店なら、安心して契約できるとも言えるでしょう。

 墓石の価格のほか、設計図面や仕様書も要求してください。出来上がった後でイメージと違うと言っても取り返しがつきません。

●157-2 値引きの誘いに気をつける
 スーパーで半額シールが貼ってあって安い!と思って手に取ったら、元の値段が高かった、そんな経験はありませんか?

 墓石の価格でも同じことがありますので気をつけてください。「価格300万円のところ、今なら50万円引きの250万円!」。こんな広告を見かけてもすぐに飛びつかないことです。一見すると大幅な値引きで得をした感じにさせられますが、元の値段がそもそも高く付けられていたら意味がありません。単純な数字のマジックです。

 一般的に、墓石の値段の相場は専門業者でなければわかりません。また、「供養のお気持ちを墓石で表してみませんか?」などの巧みな誘いを受けた結果、高い墓石を購入させられるといった例もあります。定価の見えない墓石だからこそ、購入時には慎重を期したいものです。目安としては墓地・墓石の総予算はざっと150万円未満。それ以上の金額になる場合は、より慎重に検討してください。


●157-3 墓石代金の支払いも慎重に
 墓石の購入代金は、契約時点で半分を支払い、引渡しの際に残り半分を支払うというのが一般的です。ところが、「契約のいま一括払いなら50万円値引きします!」というような誘い文句で、契約時に一括払いを要求されることがあります。ところが、その後連絡が途絶えて調べてみると、その営業マンが持ち逃げしまっていたというような詐欺に遭う例も見られます。

 墓石の購入でなぜ詐欺行為が起きるのかというと、墓石の営業が歩合制の請負だったりする例があるからです。一つの区画を複数の顧客に販売し、前金をすべて持逃げしたなどの悪質な例もあります。

 お墓の値段と墓石の値段の混同にも注意が必要です。お墓の値段という場合は、墓所の使用料(永代使用料)、墓石代、管理料を合わせた金額です。つまり、墓石の値段よりもお墓の値段は高くなりますので、支払う際に、「こんな高いはずはない」と勘違いに気づくこともあります。

 また、せっかく安い墓石を購入したのに、予定していた霊園では指定石材店制度があって、あらかじめ決められた石材店でしか購入できず、結果として高い墓石しか買えなかったという例もあります。

 以上のような失敗をしないためには、即断即決しないことが第一の防衛策です。そのためには検討材料となる見積書を必ずもらいましょう。お墓の購入は一生に一度か二度あるかどうかです。十分に気をつけてください。
 





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