葬儀相談コラム

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第152回 派遣僧侶



派遣僧侶
  ●菩提寺との関係が途切れていて、お葬式の際に決まったお寺や僧侶がいないというケースが増えています。そうした場合、僧侶派遣会社を通じて僧侶派遣サービスを利用する例が増えてきました。

●152?1 僧侶紹介サービス
 家族葬で身内だけの質素なお葬式を営むケースが増えていますが、戒名(法名)を授けてもらったりお経を読んでもらうのはやはり僧侶にお願いするのが一般的です。ところが、菩提寺との関係が途切れていたり、菩提寺のある実家から離れて暮らしているため、菩提寺の僧侶にお経を上げてもらうことができない場合には、僧侶紹介システムを利用することもあります。

僧侶紹介システムとは、葬儀業者などが独自のルートや寺院や僧侶の人脈を持っていて、そのルートを通じて宗派の僧侶の紹介を受ける仕組みです。僧侶専門の派遣会社もあります。僧侶派遣会社はお布施の金額を明瞭に設定している点が特徴の一つです。通常の寺院・僧侶にお願いするよりも安いお布施でお経を上げてもらったり戒名をつけてもらうことができるようです。

●152?2 僧侶派遣会社
 僧侶派遣会社というのはあまり聞きなれないかもしれません。一口に僧侶といっても、寺院に所属している僧侶もいれば、僧侶資格を得て僧侶派遣会社に登録している言わばフリーの僧侶もいます。ちなみ、僧侶になるための資格は宗派によって異なりますが、通常は1年から3年程度の修行期間を経て、本山から正式に資格を与えられるものです。最近は、定年退職後に仏門に目覚めて僧侶を志す人もいるようです。

ちなみに、僧侶というのは職位(階位)に関係なく仏門にいる人のことを指した名称です。僧侶のことを住職と呼ぶ場合もありますが、住職とは宗教法人のお寺の代表者を指す名称のことです。

僧侶派遣会社は、僧侶の紹介および派遣を要請されると、登録している僧侶の中から人選し、お葬式や法事に僧侶を派遣します。依頼者は派遣された僧侶にお布施を支払いますが、そのお布施の何割かが僧侶から僧侶派遣会社に渡されます。僧侶派遣会社によっては3割から7割程度の紹介手数料をお布施のうちから取っているようです。残りの金額が派遣僧侶の取り分となるわけです。一般的な感覚からすると、僧侶の紹介手数料はずいぶん高いと言えるかもしれません。このことは派遣僧侶と僧侶派遣会社の力関係を物語っていると思われます。


●152?3 派遣僧侶の注意点
 リーズナブルな金額でお葬式のお経を上げてもらえる派遣僧侶サービスですが、利用する際には注意が必要です。派遣僧侶によっては質の低いケースも見られます。故人をお見送りする大切な儀式でもあるお葬式では、たとえ一回限りの派遣僧侶といっても、立派なお経を上げてもらいたいものです。料金がリーズナブルということは反面質が低いということも言えますので、派遣僧侶をお願いするときには十分に気をつけて利用したいものです。

また、一部の悪質な例として、僧侶資格を持たない偽の僧侶が派遣されていることも報告されています。一般の人には本物の僧侶か偽物の僧侶かを見抜く眼はありません。偽物の僧侶は俗に「マンション坊主」(寺なし檀家なしの僧侶)などとも呼ばれます。自分の連絡先をしっかりと教えてくれない僧侶や、どの宗派でもお経を上げますというように信心が怪しい僧侶には十分気をつけましょう。

偽僧侶や質の低い派遣僧侶が世間にはびこるのは、私たちがお葬式や供養をできるだけ安く済ませよう、寺院との関係はできるだけ持たないようにしようと遠ざけてしまっていることにも理由はあるでしょう。派遣僧侶サービスはとても便利ではありますが、どのようなお葬式であっても、宗派の葬儀として正しいあり方でとり行いたいものです。
 





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