葬儀相談コラム

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第143回 位牌



位牌
  ●亡くなった人の魂を祀るのが位牌です。四十九日までは白木位牌、四十九日後は本位牌となります。白木位牌は葬儀業者等が手配してくれますが、本位牌は自分で購入して用意しなければなりません。さまざまな種類の本位牌が販売されていますので、好みに合った本位牌を選びましょう。

●143-1 位牌とは
 位牌(いはい)とは、亡くなった人を祀るために亡くなった人の戒名、法名、法号などを記した木板のことを言い、亡くなった人の魂がこもる場所とされています。もとは中国で故人が存命の頃の官位や名前などを記して祀っていたものが始まりと言われており、それが日本に伝来してさまざまな仏教宗派に広がったものだそうです。ただし、浄土真宗本願寺派や真宗大谷派などでは位牌を用いません。浄土真宗では、亡くなった人は阿弥陀如来の本願により浄土に往生しているとされるため、そもそも位牌を祀るという考え方を持たないからです。

位牌は、オモテ面には右側から没年、戒名、没月日を、ウラ面には俗名(生前の名前)と行年(亡くなった時の年齢)を書き入れます。行年は享年とも言われます。位牌は1基、2基、または1柱、2柱と数えます。1人1基とは限りません。夫婦で1基の位牌ということもあります。その場合は、位牌のオモテ面とウラ面に、夫婦2人の情報を書き入れます。また、「○○家先祖代々の霊位」というように、1基で複数名の位牌とすることもあります。戒名を持たない場合は、オモテ面に「○○○○之霊位」というように生前の名前を記します。

●143-2 位牌の種類
 位牌の種類を紹介しましょう。葬儀で使われるのが白木位牌。仮位牌とも呼ばれます。葬儀から四十九日までの間に使われます。白木位牌は葬儀業者が用意してくれます。それを菩提寺の住職に渡して戒名を書き入れてもらいます。

四十九日を過ぎたら白木位牌から本位牌に取り替えます。本位牌は四十九日までに作っておきましょう。本位牌は、四十九日の法要で住職に魂入れをしてもらいます。魂入れによって、ただの木の位牌から真の位牌に変わります。その後、本位牌は仏壇に安置しておきます。四十九日が過ぎた後の白木位牌は、住職に手渡すとお焚き上げという処分がなされます。

本位牌は、仏壇仏具店で購入しましょう。葬儀業者やお寺が用意してくれるものではありません。本位牌には、塗り位牌、黒檀唐木位牌、回出位牌(くりだしいはい)など、材質や形状によってさまざまな種類があります。回出位牌とは、戒名を書き入れた板が10枚程度入る箱が付いているタイプで、先祖の位牌を複数収めることができます。

本位牌には、会津塗、輪島塗、玉虫塗、美影塗、錦絵、蒔絵など装飾を凝らしたさまざまなものがあり、値段は数万円〜数十万円と幅広く販売されています。最近は、水晶などの天然石、クリスタル、アクリル板、家具調なども通信販売で購入することができます。

位牌は人間だけのものではありません。最近は亡くなったペットの位牌を作ることも増えてきました。位牌のオモテ面には「愛犬○○之霊位」「愛猫○○之霊位」などと書き入れます。ウラ面には没年月日を書き入れます。


●143-3 位牌の置き方
 本位牌は、そのまま置きません。必ず仏壇の中に置きます。仏壇の中央にはご本尊様が置かれます。本位牌はご本尊様の右側、位牌が複数の場合は左右、いずれもご本尊様より低い位置に置きます。複数の本位牌を置く場合は、亡くなった順番ではなく世代の古い順に置いてください。夫婦の位牌は、右側に夫を、左側に妻を置いてください。

遺骨を分骨するように、位牌も位牌分けができます。位牌は一つ、という決まりはありません。そもそも位牌は、残された人が亡くなった人の魂を祀るものですので、残された人の都合で分けてもよいのです。また、位牌が古くなったら新しいものに作り替えても構いません。その際は、古い位牌のお焚き上げ、新しい位牌への魂入れを行いましょう。
 





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