葬儀相談コラム


第130回 模擬葬儀


模擬葬儀
  ●模擬葬儀とは実際のお通夜、告別式とまったく同じ進行で、葬儀を体験するサービスです。葬祭業者や寺院などが、無料で様々な模擬葬儀を実施しています。想いにかなう葬儀を行うためにも、模擬葬儀を自ら体験しておくことをお奨めします。

●130-1 模擬葬儀とは?
 「できるだけ費用がかからない葬儀にしたい」「遺族に面倒を掛けさせたくない」「遺族の経済的負担を減らしたい」などの想いから、生前に、自分自身の葬儀のあり方を決めておく生前葬儀契約を結ぶ人が増えています。生前葬儀契約からさらに踏み込んで、生前に葬儀を体験してみる模擬葬儀を行う葬祭業者も増えてきました。

模擬葬儀とは、実際のお通夜、告別式とまったく同じ進行で、葬儀を体験するサービス。いわば、葬儀のリハーサルです。

模擬葬儀では、実際に葬儀を執り行なう会場に花祭壇を飾り、葬祭業者のスタッフが、葬儀司会役、僧侶などの宗教者役、故人役、遺族役、参列者役、受付役などを演じ、葬儀さながらに進行していきます。

●130-2 模擬葬儀の例
 一般的な模擬葬儀の例を紹介しましょう。

まず、スタッフから、葬祭進行についての説明を受けます。その後、参加者は参列者に扮して受付を行います。挨拶の仕方、香典の渡し方など、宗教宗派による違いなどを含めて丁寧に教わります。僧侶(演者)によるお経、喪主役の挨拶、焼香など、一通りの段取りを実際の葬儀と同じ時間割で進行していきます。出棺の儀では、出口に霊柩車を置き、棺を運び入れるところまで行います。棺については、模擬葬儀参加者による入棺体験を行っているところもあります。葬儀を終えたら、参加者に通夜料理や精進落としと同じ食事が試食としてふるまわれます。

模擬葬儀に加えて、エンディングノートの書き方など終活関連のセミナーや葬儀専用の生命保険の紹介をしたり、有料の遺影撮影会を実施するところもあります。


●130-3 様々な模擬葬儀
 模擬葬儀を行うのは葬祭業者で定期的に開催している場合もあります。模擬葬儀には葬祭業者がそれぞれの葬祭サービスを宣伝し、会員を集客する効果もあります。参加者としては、どのような葬儀を執り行なってもらえるのか、事前に体験できるメリットがあります。模擬葬儀では、葬儀について不明な点などをそのつど質問して解決することもできます。

模擬葬儀は、葬祭業者が自身の葬祭サービスを宣伝する場でもありますので、例えば、花祭壇に力を入れているのであればそれを見てもらう、音楽葬に力を入れていて生演奏を標準のサービスとして採用しているなら、実際に演奏を聴いてもらうなど、葬祭業者ごとの強みを知る機会になるでしょう。

また、近年、葬儀のあり方が多様化し、家族葬、無宗教葬、自宅葬など、事情に応じて様々な葬儀の形が現れていて、どのような葬儀を行えばよいか決めかねる場合もあります。そこで、NPO法人が主体となって、自宅葬の模擬葬儀を実施する例も見られます。無宗教の場合の葬儀のプログラムはどうすればいいか、献奏や献花の方法は、自宅で葬儀を行う場合の注意点はなど、模擬葬儀を体験することで理解が深まり、万一のときは安心して葬儀が行えるとして評判を呼んでいます。

まだ数は少ないですが、寺院が模擬葬儀を行う例もあります。寺院の模擬葬儀では、実際の僧侶が「お寺葬」の進行を紹介し、読経、法話などを行い、参加者の質疑応答なども行われます。

「できるだけ簡素な葬儀でかまわない」という場合でも、「花祭壇は華やかにしたい」「故人が好きだった食べ物で精進落としを豪華にしたい」「参列者は少なくてもお見送りは立派にしてあげたい」など、個別の想いをかなえるためにも、模擬葬儀を体験し、想いに近い葬儀をあらかじめ準備してみてはいかがでしょうか。
 





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