●冠婚葬祭を執り行なう日を決めるときには、お日柄を調べて、行事にあった日を選ぶのが一般的です。今回は、お日柄を表す基準のひとつ、十二直を紹介します。 ●128-1 十二直とは? 冠婚葬祭を執り行なう日を決めるときには、お日柄(おひがら)を調べて、行事にあった日を選ぶのが一般的です。日柄を表す基準には、大安や仏滅などの六曜(ろくよう)のほか、十二直(じゅうにちょく)、二十八宿(にじゅうはっしゅく)などがあります。 十二直とは暦(こよみ)に記載されるさまざまな注記のひとつで、建、除、満、平、定、執、破、危、成、納、開、閉の漢字12字で表されています(図表参照)。これらは日々の吉凶を見るもので、中国より伝えられたと言われ、奈良の正倉院にある日本最古の暦にも記載されています。江戸時代には、かな暦に広く用いられ、日々の吉凶を見るうえで最も重視されました。「直」には「当たる」という意味があり、よく当たる暦注だと信じられていたようです。なお、十二直は暦の中段に記載されているため、中段、中段十二直と呼ばれることもあります。 ★十二直
●127-2 十二直の由来 十二支の由来は、北斗七星にあります。古来、中国では、一定の位置で動かない北極星を中心に1日1回転する北斗七星をもとに暦を作成していました。北斗七星のひしゃくの部分が夕方どの方角を向いているかを、その方位の十二支に当てはめて各月の名を決め、暦に記し、吉凶判断の基としていました。12月22日ごろ(旧暦の11月)の冬至には、北斗七星のひしゃくの部分が真北(十二支の「子」の方角)を指します。 そこで、この時を建子(けんし)の月と名付け、旧暦十二月は丑、正月は寅というように各月を名付けました。その節月と同じ十二支を持つ最初の日を「建」とし、以後順に、除、満と配したのが十二直です。 ●128-3 十二直と葬儀 十二直では、危、破、納、開、閉の日はお日柄として葬儀にはよくない日とされています。もっとも、最近はお日柄を気にせずに葬儀、火葬、納骨を行うことが多くなりました。ただ、葬儀に参列する人によっては、吉凶を気にされる方もいらっしゃいます。どうしてもお日柄の悪い日に葬儀、火葬、埋葬を行う際には、その旨をあらかじめ申し伝えておくなど、気を配っておくと、後々のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。 なお、十二直は昭和初期の頃までは重視されていましたようですが、最近は六曜や九星のほうが重視され、以前ほどは使われなくなっていると言われています。 |