葬儀相談コラム


第109回 高齢者の葬儀に関する意識



高齢者の葬儀 ■109-1 5人に1人が生前に葬儀を準備
 一般社団法人終活コンシェルジュは、このほど「高齢者の実態調査報告〜高齢者の自分の葬儀への意識調査」を発表しました。報告によると、「自分の葬儀の準備をしていると答えた人」は5人に1人、自分のために準備している葬儀費用は「100万円」、葬儀をあげたいと思う人は「全体の75%」など、興味深いデータがまとめられています。今回は、この報告を紹介したいと思います。
 高齢者に対して「自分の葬儀の準備をしているか?」と聞いたところ、具体的に準備を進めている人は全体の20%程度にすぎないことがわかりました。ほとんどの人が「家族に任せる」という回答が多く、家族のいる高齢者の多くは自分の葬儀の準備に関心がないようにも見られます。一方で、家族がいても「最期のことは自分で決めたい」という意見や「身寄りがないから迷惑がかからないようにしたい」といった意見もみられました。自分の意思で葬儀の準備を進めている人と、家族任せの人と、高齢者の葬儀に対する準備は二極化しているのかもしれません。
 「自分の葬儀の準備をしている」と答えた高齢者に、具体的にどのような準備をしているかを尋ねたところ、「葬儀社への個別相談」「生前予約」の回答が見られました。「生前予約」と回答した高齢者のなかには、家族がいるものの「葬儀費用は家族に負担させたくない」という意見もありました。葬儀は遺族が執り行うものでしたが、これからは「葬儀は生前に準備しておくもの」と、意識が変わりつつあるようです。
 自分の葬儀を準備するにあたって、準備している葬儀費用について「100万円程度」とする回答が最も多く見られました。「預金に分けている」「生命保険の保険金を充てる」など、葬儀費用の準備手段はさまざまですが、葬儀に関する出費に備えて、お金を分けておく感覚は高齢者にはあるようです。預貯金や保険などの金融資産で残しておけば、「残した資産でどうにかしてくれる」と考えている高齢者も多いようです。
 葬儀そのものをあげたいかどうか?の問いに対しては、あげたいと思う高齢者の数が全体の75%にのぼりました。ただし「遺された人に迷惑はかけたくはない」とか「そこまでお金をかける必要はない」という回答がみられるように、高齢者には、できるだけ負担や手間をかけずに葬儀を済ませてほしいといった希望が強いことがみられます。





■109-2 増える葬儀の生前相談
 一般社団法人終活コンシェルジュによると、葬儀社に対する生前相談の件数は、年々増えている傾向があるそうです。高齢者が自分で自分の葬儀のことを決めておきたいといった意識の高まりが感じられます。
 生前相談で多いのが葬儀にかかる費用。家族葬のニーズは相変わらず高いようです。家族葬は費用を抑えることができるものの、葬儀に係る支出とお悔やみ等の収入を考慮すると、自己負担額は意外と多くなることがあります。見た目の負担額だけでなく、葬儀に係る収支をもとに葬儀の計画を立てることが必要と思われます。
 また、葬儀費用の見積もりで依然としてよく見られるのが、基本料金と追加料金の二本立ての設定です。基本料金が格安でも、オプションの追加料金がかさんでしまい、結果的に高額の葬儀費用になることもまだまだ多く見られます。





■109-3 ニーズが高まる葬儀の相談会
 年々高まる終活ブームのなか、生前に葬儀の相談会に訪れる高齢者が増えています。葬儀の相談会は、主に葬儀業者が開催しています。相談会では、葬儀に関する最新事情のほか、葬儀費用の仕組みや自分らしい葬儀の行い方など、葬儀のイロハを教えてもらえるため、参加者が増えています。葬儀の相談会では個別相談も行っています。利用者としては、複数の葬儀会社の相談会に出席してみて、自分に合った葬儀社を選ぶところからはじめましょう。





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